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プラズマの不安定性

プラズマ不安定性は閉じ込めを乱し、核融合炉の性能を制限する。MHD不安定性(巨視的)とマイクロ不安定性(微視的)に大別される。

MHD不安定性は電流駆動型と圧力駆動型に分かれる。

キンク不安定性は電流駆動型で、プラズマ柱がらせん状に変形する。安全係数 q > 1 が安定の必要条件であり、トカマクでは表面の安全係数 qa >= 3 で運転する(クルスカル・シャフラノフ限界)。内部キンクモードは q = 1 面に共鳴し、ソートゥース振動の原因となる。

バルーニングモードは圧力駆動型で、トーラス外側(悪い曲率領域)で局所的に膨らむ。トロヨン限界により規格化ベータは 3.5 程度に制限される。

ティアリングモードは有限電気抵抗により磁力線が再結合し、共鳴面に磁気島を形成する。磁気島内部では温度・密度が一様化し、閉じ込め性能が劣化する。

ネオクラシカルティアリングモード(NTM)は、磁気島形成によるブートストラップ電流欠損が駆動力となる。高ベータプラズマの主要な不安定性で、シード磁気島が臨界サイズを超えると成長を開始する。q = 3/2 面と q = 2 面が重要。

抵抗性壁モード(RWM)は、外部キンクモードと導体壁の抵抗性効果が結合した不安定性。プラズマ回転やフィードバック制御で安定化できる。

ELM(エッジ局在モード)はHモードのペデスタルに局在する不安定性。Type I ELMは周期 10-100 Hz で、ペデスタルエネルギーの 5-15% を放出する。ダイバータへの瞬間熱負荷が深刻な問題となる。

ソートゥース振動は q = 1 面を持つプラズマで観測される周期的現象。中心温度が緩やかに上昇後、急激に低下するサイクルを繰り返す。周期 10-100 ms 程度。長周期化した「モンスターソートゥース」はNTMのシード磁気島を生成するリスクがある。

フィッシュボーン振動は高エネルギー粒子に駆動される内部キンクモード。TAE(トロイダルアルフベン固有モード)は高速粒子により励起され、粒子の半径方向輸送を引き起こす。

ディスラプションはプラズマ放電が突然終了する激しい現象。熱クエンチ(1-10 ms)で蓄積エネルギーが失われ、続く電流クエンチ(10-100 ms)で電流が減衰する。電磁力、ハロー電流、逃走電子が機器に深刻な損傷を与える。

密度限界(グリーンワルド限界)やベータ限界を超えるとディスラプションに至る。

ECCD(電子サイクロトロン電流駆動)は磁気島のO点に電流を駆動してNTMを抑制する。RMP(共鳴磁場擾乱)は外部からヘリカル磁場を印加してELMを制御する。ペレット注入はELMペーシングやディスラプション緩和に用いる。フィードバック制御はセンサでモードを検出し、アクチュエータで補正する。電流分布の最適化は不安定性の予防に有効である。