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閉じ込め方式

核融合を起こすには、原子核どうしをぶつけるために 1 億度を超えるプラズマ(電子とイオンがばらばらに飛び回る気体)を用意しなければなりません。ところがそんな高温の気体は、どんな容器に入れても壁に触れた瞬間に冷えてしまいます。だから核融合研究の出発点はいつも同じ問いです。熱いプラズマを、どうやって壁に触れさせずに保つのか。この「閉じ込め(confinement)」の工夫こそが、このセクション全体のテーマです。

閉じ込めの 3 つの考え方(高校レベル)

Section titled “閉じ込めの 3 つの考え方(高校レベル)”

熱いプラズマを保つ方法は、大きく 3 つに分かれます。それぞれ「何の力を使うか」で区別すると、全体像がすっきりつかめます。

重力で閉じ込めるのが太陽です。太陽は自分自身の途方もない重さでプラズマを中心に押し固めています。とても安定した方法ですが、地球サイズの重力ではまったく足りないので、地上の装置には使えません。恒星がどうやって輝いているかは 核融合の基礎 で扱います。

磁場で閉じ込めるのが、地上研究の主流です。プラズマは電気を帯びた粒子の集まりなので、磁石の力(磁場)で進む向きを曲げられます。粒子は磁力線に巻きつくように回りながら進むので、磁力線をうまく輪の形に閉じてやれば、壁に触れずにぐるぐる走り続けます。磁石の見えないレールでプラズマを走らせるイメージです。

慣性で閉じ込めるのが、レーザー核融合です。ごく小さな燃料の粒を四方八方からレーザーで一瞬にして押しつぶし、まだ吹き飛ぶ暇がないうちに反応させてしまう方法です。「逃げ出す前に終わらせる」という発想で、閉じ込める時間は 1 兆分の 1 秒ほどしかありません。

以下のページを、上から順に読むのがおすすめです。前半で磁場閉じ込めの土台を固め、後半で代表的な装置と別方式へ広げていきます。

  • 磁場配位の基礎: 磁場でプラズマを保つ仕組みの共通土台です。なぜ輪(トーラス)の形にするのか、磁力線をどうねじるのかを学びます。まずここから読んでください。
  • トカマク: 現在もっとも研究が進んだ磁場閉じ込め方式です。プラズマ自身に電流を流して磁場をねじるのが特徴です。
  • ステラレータ: 外部のコイルだけで磁場をねじる方式です。電流に頼らないので連続運転に向いています。
  • 磁気ミラー: 輪ではなくまっすぐな磁場の両端を強くして、栓のようにプラズマを跳ね返す方式です。
  • 慣性閉じ込め核融合: 磁場を使わず、レーザーで燃料を一瞬に圧縮する別系統の方式です。

このセクションは、次の 2 つのセクションを先に読んでいると理解がぐっと楽になります。

  • 核融合の基礎: そもそも核融合とは何か、なぜ高温高密度が必要かを扱います。
  • プラズマ物理: 荷電粒子が磁場の中でどう動くか(ラーマー運動など)を扱います。磁場閉じ込めの話はここが土台になります。

まだ読んでいなくても、各ページは用語を初出時に説明するので、気になったら戻って確認しながら進めてください。まずは 磁場配位の基礎 から始めましょう。