コンテンツにスキップ

主要核融合プロジェクト

このセクションでは、世界の主要な核融合研究プロジェクトを一つずつ取り上げます。装置ごとに目指すもの、採用している閉じ込め方式、開発体制が異なります。ここではまず全体を俯瞰し、各ページへ読み進むための道筋を示します。

核融合を実現する装置は、大きく分けて磁場でプラズマを閉じ込めるもの(磁場閉じ込め方式)と、燃料を一瞬で圧縮するもの(慣性閉じ込め方式)に分かれます。同じ磁場方式の中でも、トカマク(tokamak)、ヘリカル(helical)、そして民間が挑む高磁場トカマクといった個性があります。このセクションを読むと、それぞれの装置が「何を分担しているのか」が一望できるようになります。

  • 国際協力で建設が進む世界最大の実験炉が ITER です。エネルギー増倍率(energy gain factor) Q10Q \geq 10 の実証を目標に、多くの国が資源を持ち寄っています。
  • 日本と欧州が共同で運転する大型超伝導トカマクが JT-60SA です。ITER を先導し、発電炉に向けたプラズマ運転の最適解を探ります。
  • 磁場コイル自体をねじって閉じ込めるヘリカル方式の代表が LHD です。電流を流し続けなくても成立する定常運転の強みを研究します。
  • レーザーで燃料を圧縮する慣性閉じ込め方式の中心が NIF です。2022 年に核融合点火(ignition)を達成した施設として知られます。
  • 高温超伝導磁石で装置を小型化し、早期の発電実証を狙う民間プロジェクトが SPARC です。

はじめに ITER を読み、国際協力による実験炉が核融合開発の基準点になっていることをつかんでください。次に、同じトカマク方式で ITER を支える JT-60SA へ進むと、大型装置どうしの役割分担が見えてきます。

続いて、まったく異なる発想の LHD(ヘリカル)と NIF(レーザー)を読むと、閉じ込めのアプローチが一つではないことが実感できます。最後に、小型化と民間の動きを象徴する SPARC を読むと、近年加速している開発競争の空気まで理解できます。

各装置の解説では、プラズマをどう閉じ込めるかという基礎概念を前提にします。トカマクやヘリカル、慣性閉じ込めといった方式そのものをまだ学んでいない場合は、先に 閉じ込め方式 のセクションを読んでおくと、このセクションの内容がずっとわかりやすくなります。