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デバイ遮蔽

デバイ遮蔽は、プラズマ中で電場が遮蔽される基本的なメカニズムである。プラズマ中に試験電荷を導入すると、周囲の荷電粒子が再配置される。電子はイオンより軽いため素早く応答し、正電荷の周りに雲を形成する。この再分布により遮蔽効果が生じ、他の粒子が感じる電位が減少する。

系がプラズマとして振る舞うには、以下の3条件を満たす必要がある。

第一に、デバイ長が系のサイズより十分小さいこと。これにより遮蔽効果が有効に働く。

第二に、デバイ球内の粒子数が十分多いこと。2体衝突より集団効果が支配的であることを保証する。核融合プラズマでは約10の7乗個程度。

第三に、プラズマ周波数と衝突周波数の関係として、電子がプラズマ振動を完了する前に衝突で乱されないこと。

デバイ長は電場が遮蔽される特性的な長さスケールである。真空中の点電荷のクーロンポテンシャルは、プラズマ中では指数関数的に減衰する湯川型ポテンシャルに変形される。

核融合プラズマ(温度10keV、密度10の20乗/立方メートル)ではデバイ長は約70マイクロメートル。これは装置サイズ(メートル)よりはるかに小さいが、粒子間距離(約0.2マイクロメートル)よりはるかに大きい。

プラズマ周波数は、電荷分離に対するプラズマの自然な応答周波数である。均一プラズマで電子が微小変位すると電荷分離が生じ、復元力となる電場が発生する。これにより電子は単振動を行う。

核融合プラズマでは電子プラズマ周波数は約90GHz。イオンプラズマ周波数は電子に比べて約43分の1と低い。デバイ長と電子プラズマ周波数は熱速度を介して関係し、電子がプラズマ振動の1周期の間にデバイ長程度移動することを意味する。

準中性とは、デバイ長より大きなスケールでは電荷密度がほぼゼロであることを意味する。準中性が破れる状況としては、シース領域(プラズマと壁の境界)、高周波電場中、デバイ長程度の小スケール現象がある。

デバイ遮蔽は、荷電粒子が閉じ込め磁場や他の粒子とどう相互作用するかに影響する。衝突頻度、スピッツァー抵抗、輸送係数を決定する。高温プラズマの抵抗率は良導体の銅より低くなる。

壁面近傍では準中性が破れ、シースと呼ばれる空間電荷層が形成される。これはダイバータ物理や材料表面へのイオンエネルギーに影響する。

プラズマ診断もデバイ遮蔽の理解に依存する。ラングミュアプローブではシース理論が精度を決定し、トムソン散乱ではデバイ長と波数の関係が集団散乱か個別散乱かを決める。