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プラズマベータ

プラズマベータ(plasma beta)は、プラズマの熱的な圧力を、それを閉じ込める磁場の圧力で割った無次元量で、記号 β\beta で表します。磁場という高価な資源をどれだけ効率よくプラズマの閉じ込めに使えているかを示す指標です。

核融合炉では、強い磁場を作ってその中に高温のプラズマを閉じ込めます。このとき、磁場を作るコイルはとてもお金がかかります。せっかく強い磁場を用意しても、閉じ込められるプラズマが薄くて冷たければもったいないですよね。プラズマベータは、用意した磁場に対してどれだけ濃くて熱いプラズマを閉じ込められているかを表す通信簿のような数字です。この値が大きいほど、同じ磁場でたくさんのエネルギーを生み出せるので、炉として経済的になります。

詳しい定義(学部レベル以上)

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プラズマベータは、プラズマの圧力 pp と磁気圧 B2/(2μ0)B^2 / (2\mu_0) の比として次のように定義されます。

β=pB2/(2μ0)\beta = \frac{p}{B^2 / (2\mu_0)}

ここで pp はプラズマの熱的な圧力、BB は磁束密度、μ0\mu_0 は真空の透磁率です。すなわちベータは「プラズマ圧力を磁気圧で割った値」であり、磁場のエネルギーのうちどれだけの割合をプラズマの閉じ込めに変換できているかを表します。

トカマクでは、装置の形状やプラズマ電流に応じてベータの到達可能な上限が決まります。この経験的な上限はトロヨンベータ限界(Troyon beta limit)と呼ばれ、規格化ベータ βN\beta_N を用いて次のように整理されます。

βN=β[%]aBIp\beta_N = \frac{\beta \, [\%] \, a \, B}{I_p}

ここで aa は小半径、BB はトロイダル磁場、IpI_p はプラズマ電流です。βN\beta_N がおよそ 3 前後を超えると電磁流体力学(MHD)的な不安定性が発生しやすくなり、これがトロヨンベータ限界の目安とされています。

核融合の出力はプラズマの圧力の 2 乗におおよそ比例し、建設費の大部分は磁場コイルが占めます。したがって同じ磁場でより高いベータを達成できれば、より小さく安価な炉で同じ出力を得られることになり、ベータは炉の経済性を直接左右する指標になります。一方でベータを上げすぎると MHD 不安定性やディスラプションを招くため、トロヨンベータ限界の範囲内でいかに高いベータを安定に維持するかが設計と運転の重要な課題です。