ミラー方式
ミラー方式は、直線型の磁場配位で荷電粒子を閉じ込める方式である。二つのソレノイドコイル間で磁場強度に勾配を設け、弱磁場領域のプラズマを強磁場領域で反射させる「磁気瓶」を形成する。
閉じ込めの原理
Section titled “閉じ込めの原理”磁場中の荷電粒子は螺旋運動を行い、磁気能率が断熱不変量として保存される。粒子が強磁場領域へ進むと垂直速度成分が増加し、全エネルギー保存から平行速度成分が減少する。平行速度がゼロになる点(ミラー点)で粒子は反射される。
ミラー比(最大磁場/最小磁場)をRmとすると、ピッチ角が臨界角より大きい粒子のみが閉じ込められる。臨界角より小さいピッチ角を持つ粒子は反射されずに端から逃げ出す。この逃げ出す粒子の速度空間領域を「ロスコーン」と呼ぶ。実際のプラズマではクーロン衝突により粒子が徐々にロスコーンへ散乱され、端損失が生じる。
安定性と改良
Section titled “安定性と改良”単純ミラーはフリュート不安定性に悩まされる。これを抑制するため、磁場が中心で最小となる「最小B配位」が開発された。ベースボールコイルや陰陽コイルがその実現手段である。
1976年に提案されたタンデムミラーは、複数のミラーセルを直線配置し、両端のプラグセルで静電ポテンシャル障壁を形成してイオンを閉じ込める。サーマルバリア概念の導入により、電位閉じ込めの効率が向上した。
歴史と主要装置
Section titled “歴史と主要装置”1950年代に概念が提唱され、1970年代にタンデムミラーの発明で飛躍した。アメリカのTMX、TMX-Uで電位閉じ込めが実証されたが、1986年にMFTF-Bが建設完了後に運転されず中止となり、米国でのミラー研究は実質的に終焉した。
日本の筑波大学GAMMA 10は1985年から稼働を続け、電位閉じ込めの詳細研究やイオン温度1億度の達成など成果を上げている。ロシアのGDTでは軸対称配位でベータ値60%超を達成した。
特徴と将来性
Section titled “特徴と将来性”ミラー方式は構造が単純で定常運転が容易、高ベータ運転が可能、端部からの直接発電に適するという利点を持つ。高温超伝導技術の進展により高磁場化が可能となり、TAE TechnologiesやウィスコンシンWHAMプロジェクトなど、再び注目を集めている。核融合・核分裂ハイブリッド炉の駆動源としても有望視されている。